skills

技法集11

描きたい効果から、技法を選ぶ。

新しい紙は paper-brush-v5(紙・水・顔料・筆の物理)です。にじみ・縁の濃縮・バックラン・粒状化・かすれは画材の挙動として起きるので、起こし方は[v5 画材と技法](material-v5.md)を読んでください。下のカードの実例と数値は paper-brush-v3 で検証したもので、v3 の紙(watercolor-standard-v1)では今もそのまま使えます。paper-brush-v4 は任意の比較用です。実画像・初見AIによる検証範囲は項目ごとに記録しています。

skills / effects

技法は正解の絵柄を押し付けるものではありません。工程ごとに狙いを決め、実画像との差を確認し、原因を仮定して小さく試します。縞・粒・硬い輪郭も、狙いに合えば残して構いません。改善しなければ元の案へ戻り、仮説や技法を変えます。保存できたことと、狙いを達成したことは別です。

判断と試行の実行手順 · 実験からの判断メモ · 試行・比較API · AI用インデックス

描き進める順番

  1. 題材と参考画像から、主役・明暗・残す白を決める。参考画像は観察用に使い、紙へ貼らない。
  2. 小さな試験紙で、水量・筆幅・待つ時間を一条件ずつ試す。
  3. 薄い大きな面から置き、中間画像で構図と明暗を確認する。
  4. 主役に必要な輪郭と細部だけ足す。悪化した案は採用しない。
  5. 全景と拡大で確認し、採用済みのPNGと制作JSONを保存する。

試し塗り例の開き方

スタジオで実行します。JSONファイルを画面から読み込むこともできます。例を読み込んでも、採用するまで元の作品は変わりません。

const state = emakiStudio.observe({includeImage: false});
const scene = await fetch('/sketch/skills/examples/prewet.json').then(r => r.json());
const trial = await emakiStudio.preview(scene, {expectedRevision: state.revision});
// これは作品への追加ではなく、別の小さな試験紙の候補です。
// 画像を見て判断。試験紙で作品を置き換えたくなければ採用しない。
// 現在の絵へ戻るには画面の「現在の絵」。
// 過去の例は当時の紙設定で再現します。新作へ移す際はヘッダーをコピーしない。
// emakiStudio.scene() の紙設定を保って筆を応用し、小試験で効果を再確認。

基本操作 · paper-brush-v3

輪郭を残す

舟・人物・山頂を読みやすくする

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 先濡らしを省くか、乾燥待ち後に試験線の広がりを確認する
  • 水分の少ない細い筆を一度運ぶ
  • 直後と待機後を比べる

画像で確認

  • 輪郭が待機後も読み取れる

この狙いに対する失敗の兆候

  • 線が広がる
  • 細部が太くなる

直し方

  • 水量か待機時間を一つだけ変える
  • 解像度の限界を線の重ね描きで補わない
  • 細部前のnormal待機だけを延ばす比較は一作品で有効だった。hold中の待機とは区別し、他の濡れた部分も確認する。

限界

  • 実画材に校正した数値ではない
  • 他の構図での成功を保証しない
  • 標準v3の初見AI一人・一題材での使用記録。旧試し塗り例の再評価や一般的な成功率ではない。

原記録:資料1 · 資料2 · 資料3

試験が必要 · paper-brush-v4

輪郭を残して内側に色を差す

細い幹の外形を保ち、内側の影をなじませる

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 既存作品を守る未採用の候補で試す
  • material-v4.mdの明示的な試験手順を使う。既定のv3は変更しない
  • 試し塗りJSONは別の試験紙として使い、作品へそのまま追加しない

手順

  • 薄い茶色を少水量で置く
  • 幅を絞った水筆で幹の内側だけを濡らす
  • 短く待ち、湿った内側へ濃い色を差す
  • 影の筆圧を徐々に抜き、1秒後と追加3秒後の濃淡を確認する
  • 全景と局所を比較し、改善した案だけ採用する

画像で確認

  • 外周の輪郭と内部の濃淡を別々に見る
  • 根元から上への明暗がつながり、周囲の枝葉を壊していない

この狙いに対する失敗の兆候

  • 幹全体がぼける
  • 濃い影が幹の外にはみ出す
  • 筆を止めた位置に帯や丸い終端が残る

直し方

  • 全面への増水でぼけたら、保存した少水量の下塗りへ戻り、内側の水筆を試す
  • 影の経路と接触幅を先に確認する。濃い線のはみ出しを水だけで直そうとしない
  • 高い筆圧で止まる影は、根元から先へ徐々に筆圧を抜く候補と比較する

限界

  • v40の細い幹の16条件と一本の木での局所改善。初見AIへの移転は未検証
  • 水筆は領域マスクではなく、色や水は外へ広がる場合がある
  • 例の水量・筆幅・時間は万能値ではない。低水量の下塗りの即時固定も現モデルの近似
  • 追加の待機は紙全体に作用するため、周囲の濡れた絵も確認する

原記録:資料1 · 資料2

試験が必要 · paper-brush-v4

枝の構造と筆の接続を描く

枝の長短・分岐・葉とのつながりを整える

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 基準PNGとJSON、残したい表現を保持する
  • material-v4.mdの試験手順を使う。通常のv3は変更しない
  • 例は独立した裸枝の試験紙。作品への貼り付けや共通の樹形として使わない

手順

  • 葉のまとまりと、見せたい大きな分岐を先に決める
  • 主枝と小枝の分岐位置・長さを変え、枝先を葉へつなぐ
  • 開いた中心線を筆で描き、局所的な曲がりを枝の役割に合わせる
  • 接合部の濃い塊を見て、入りの筆圧・色・子枝の太さを別々に試す
  • 裸枝の試験と葉のある全景を見比べ、良かった変更だけ採用する

画像で確認

  • 大枝から小枝へのつながりと、葉を支える方向が読める
  • 同じ長さの扇状の分岐、等間隔の折れ曲がり、孤立した細枝が狙いに反していない

この狙いに対する失敗の兆候

  • 小さな揺れだけ増え、大きな規則性が残る
  • 省略した結果、裸の横枝が目立つ
  • 接合部が濃い丸になる
  • かすれを強めると細枝が消え、葉が浮く

直し方

  • ノイズを足す前に、分岐位置と枝の役割を見直す
  • 白で消さず、保存した分岐前のJSONから描く経路を修正する
  • 裸枝が消えたら乾いた接触を戻し、筆圧の影響と切り分ける
  • 改善が小さい追加設定は残さず、前の候補へ戻る

限界

  • 一本の木の14条件。初見AIへの移転・樹種横断の一般化は未検証
  • 描かない経路を選ぶ方法であり、葉のマスクではない。裸の隙間を遮蔽と説明しない
  • 圧力の立ち上がりだけでは接合部の改善が小さかった
  • 同じ最終材料時間でも途中の付着時刻は変わる。葉とのなじみや樹冠の形は未解決

原記録:資料1 · 資料2

基本操作 · paper-brush-v3

先に濡らして色をつなぐ

空・遠山の柔らかいつながりを作る

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 水筆(opacity:0)で必要な場所を濡らす
  • 湿った帯に色筆を置く
  • 待機を加えて直後との違いを見る

画像で確認

  • 筆の境目が弱まり、主役の形が残る

この狙いに対する失敗の兆候

  • 平行な帯が残る
  • 形が流れてつぶれる

直し方

  • 先濡らし幅と筆の重なりを見直す
  • 水量・待機時間を別々に試す
  • 横帯が残る場合は筆を重ね、終点と筆圧の抜き方をずらして小試験する。軌道の揺れだけで解決すると考えない。
  • 粒状感が主役より強ければ、固定紙を保ち、brush.granulationだけを比較する。roughnessやseedは変えない。
  • 広い初期下塗りに白い筋が出る場合は、同じ筆の集合で水筆を先にまとめる順番を比較する。意図した再湿潤は別の工程として扱う。

限界

  • 濡れた領域は色を閉じ込めるマスクではない
  • 例は小さな試し塗り。均一なグラデーションの保証ではない
  • 標準v3の初見AI一人・一題材での使用記録。旧試し塗り例の再評価や一般的な成功率ではない。

原記録:資料1 · 資料2 · 資料3

基本操作 · paper-brush-v3

薄く重ねる

明暗と色の深さを段階的に調整する

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 薄い下塗りを置く
  • 待機後に試験筆で乾き方を確かめる
  • 少量の色を重ねて、全景と局所を比べる

画像で確認

  • 主役と背景の明暗差が読みやすくなる

この狙いに対する失敗の兆候

  • 濁る
  • 下塗りが動く
  • 筋が強くなる

直し方

  • 不採用にして色量を減らす
  • 待機時間を固定値として信じず、画像で確認する

限界

  • 例の15秒は乾燥保証ではない
  • レイヤーを増やすだけでは乾かない

原記録:資料1 · 資料2

基本操作 · paper-brush-v3

紙を塗り残す

余白や光を、白い絵の具なしで残す

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 下塗りの前に触れない場所を決める
  • 筆幅を含めて紙端の手前で止める
  • 終点と筆圧を少しずつ変える

画像で確認

  • 余白が構図につながる

この狙いに対する失敗の兆候

  • 均一な白枠に見える
  • 端が丸く揃う

直し方

  • 白で消すのではなく、元の候補の筆順を修正する
  • 左右の余白を非対称に試す
  • 雲の大きな白が違うなら、後から細い縁を足す前に初期下塗りの折り返し・筆幅・筆圧を修正する。

限界

  • 余白の作成は確認済みだが、自然に消える境界は未達の例がある
  • 標準v3の初見AI一人・一題材での使用記録。旧試し塗り例の再評価や一般的な成功率ではない。

原記録:資料1 · 資料2

任意の追加操作 · paper-brush-v3

乾燥を一時停止する

広い面をつなぐ時間を確保する

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 狙った工程のlayerにenvironment.drying:holdを指定する
  • 同じ筆をnormalでも試す
  • 次の工程では省略またはnormalへ戻す

画像で確認

  • 筋が減り、輪郭や奥行きが保たれる

この狙いに対する失敗の兆候

  • 形が混ざりすぎる
  • 暗い筋が残る

直し方

  • 適用する工程を狭める
  • 全工程への適用を避ける
  • 保持時間を長くするだけで白い雲が狭まった例がある。normalへ戻す候補も残す。

限界

  • 紙全体の吸収・蒸発・定着を止める補助機能
  • 水と色の移動は続く。局所マスクではない
  • 標準v3の初見AI一人・一題材での使用記録。旧試し塗り例の再評価や一般的な成功率ではない。

原記録:資料1 · 資料2

試験が必要 · paper-brush-v3

湿った筆でなじませる

硬い境界を水で部分的に伸ばす

最小例は未整備。下の原記録から対応する仕様・実行例を確認してください。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 境界をまたぐ水筆を置く
  • 待機後に湿った筆で外へ引く
  • 実行前・加水後・引いた後を比較する

画像で確認

  • 境界だけが柔らかくなるかを見る

この狙いに対する失敗の兆候

  • 白い溝
  • 色の尾
  • 輪郭の残り

直し方

  • 広い作品へ適用せず、小さい候補で水量と軌跡を調整する
  • 悪化したら候補を不採用にする

限界

  • 機能は残したが、既存の絵への処理は不採用
  • 水やliftは完全な消しゴムではない
  • 既存liftは湿った筆による回収。ティッシュのしわ・接触や有限吸水量の機能は未実装。雲の輪郭を作る手法として今回も不採用。

原記録:資料1 · 資料2 · 資料3

試験が必要 · paper-brush-v3

葉を塊として描く

樹冠にまとまりと隙間を作る

最小例は未整備。下の原記録から対応する仕様・実行例を確認してください。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 大きな枝葉のまとまりと、塗らずに残す紙を決める
  • 不規則な接触をつなぐ軽い擦り筆を試す
  • 既存の葉の内側へ少量の影を重ねる
  • 輪郭と内部を別に見て水量を判断する
  • 乾いてから少数の鋭い接触と細い枝を加える

画像で確認

  • 全景で樹冠のまとまりが読める

この狙いに対する失敗の兆候

  • 同じ丸が並ぶ
  • 穴が等間隔になる
  • 暗部で隙間が消える

直し方

  • 黒い房になったら高濃度の筆の重ねすぎを疑う
  • 白い細点を増やすだけで紙や葉のリアルさを評価しない
  • 輪郭がぼけたら保護した前の案と比較して戻す
  • 全景を保てる範囲で水・接触・待機を一つずつ試す
  • 主題の大きさを揃えて参考と比較し、内部の分断には薄い大きな下塗りを試す

限界

  • v39の一本の参考習作で比較した範囲。実顔料の混色や初心者AIへの一般化は未検証
  • v4は明示的な試験画材。material-v4.mdを読み、通常v3から無断で切り替えない

原記録:資料1 · 資料2

任意の追加操作 · paper-brush-v3

有限の筆残量を使う

仕上げのかすれ・色の受け渡しを試す

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の作品を変更しない試験紙か、未採用の候補を使う
  • 座標・紙seed・比較する範囲を揃える

手順

  • 対応する供給モデルの仕様と実行例を読む
  • 最初の筆はreload、同じ筆を使うときはcontinue
  • 短い試験で残量と結果を確認する

画像で確認

  • 筆の終わり方と色の変化が意図に合う

この狙いに対する失敗の兆候

  • 長い面に筆筋が残る
  • 色が乗らなくなる

直し方

  • 必要ならreloadし、筆順を分ける
  • 全面に使う前に仕上げ部分だけで比較する

限界

  • reservoir-v1とv2のパラメータを混ぜない
  • supplyはgesture・明示water等が必要。仕様から完全な例を読む
  • 供給一定constant-v1は廃止済み

原記録:資料1 · 資料2 · 資料3

試験が必要 · paper-brush-v4

新しい紙と顔料を比較する

濃淡と輪郭を見比べて画材を選ぶ

試し塗りJSON 入力仕様を検証済み。画像の評価範囲は手順・限界と原記録を参照。

前提

  • 現在の絵を保存し、未採用の候補で試す
  • 標準紙と同じサイズ・seed・筆順で比較する

手順

  • material-v4.mdの手順で試験画材のタグだけを変える
  • 全景と局所を見て、必要なら水量か筆順を一つずつ直す
  • 改善した案だけ採用する

画像で確認

  • 濃淡が狙いに合い、残す白と輪郭が壊れていない

この狙いに対する失敗の兆候

  • 横の帯、濡らしすぎの輪郭、孤立した丸い筆跡が狙いと合わない

直し方

  • 先濡らし、少ない水、段階間の乾燥を一つずつ比較する
  • 悪化したら前の絵へ戻る

限界

  • 既定の画材ではない。CPU計算は遅い
  • 実測校正や論文全体の実装ではない
  • 紫の空と雲の比較では白い紙の色は良かったが輪郭がぼけ、水量を減らしても解決せずv3を採用した。

原記録:資料1 · 資料2 · 資料3

完成時:制作動画とBGMの確認

完成したら毎回かならず、完成PNG・制作JSONと一緒に制作動画を渡します(音楽なし)。動画は最初の0.5秒が完成画で、そのあと白紙から1筆ずつ描く過程を工程の字幕付きで映し、完成画で終わります。スタジオの「保存」から「制作動画を保存」でも作れます。そのうえで、題材に合うBGMをGeminiで作って動画に付けるかを、作品ごとに毎回かならず持ち主に尋ねます。持ち主がはっきり了承するまで音楽は作りません。了承後は、Geminiのブラウザ画面から持ち主の既存サブスクリプションの範囲だけで作り、APIや追加課金には切り替えず、追加料金が必要なら止まります。Gemini連携がアプリに内蔵されているわけではありません。

AI用の動画・音楽の手順

過去の実験・廃止項目

旧モデルの試験帳 · 現在の能力表